捜査はスコットランドヤードのパット・フレミング警視正に委ねられ、すぐに大規模な捜査が展開されることになった。
自動支払い機の1日の引出し限度額は300ポンドまでだった。そのため犯人は毎日現金の引き出しを行っていた。
フレミングはこのことに目をつけ、900台の全ての支払機に警官を貼り付けるローチ作戦(ゴキブリ作戦)と呼ばれる作戦を立てた。
この作戦はイギリス中の警察署から人員を動員する必要があるため、そう何日も行えるものではなかった。しかし、犯人は毎日引き落としを行っていたため、一日だけでも実行すれば犯人を逮捕出来るはずだった。
しかし、作戦が実行された日に限って犯人は金を引出さなかった。作戦は空振りに終わってしまう。
犯人はスコットランドヤードが大がかりな捜査を始めたのを嗅ぎつけたのか、動きを牽制する手段に出た。実際に毒物が混入されたペット用の缶詰や細かく砕かれた剃刀が入れられたベビーフードがスーパーに置かれるようになったのだ。
ペット用の缶詰には毒物混入のシールが貼られており、気づいた飼い主が警察に届け出たため被害は出なかった。しかし、剃刀入りのベビーフードは幼児に与えられてしまい、口の中を激しく切ってしまった。