次の首相にはリヴァプール伯が就任することになった。パーシヴァルと違い、リヴァプールはキャロラインの見方ではなく、むしろジョージの意向で動くような人物であった。次第に議会でもジョージの意向が通るようになっていく。
そして、摂政としての地位を強固なものにしたジョージは、離婚に向けて、キャロラインへの攻撃を再び開始したのであった。
まずジョージはキャロラインと娘のシャーロットの分断を図り、二人を会わせないようにした。
シャーロットは今やジョージを除けば王位継承権を持つ唯一の人物であった。いまだに弟たちは正式な妻を持たず、愛人との間に私生児はもうけていても、だれも跡継ぎを持っていなかった。
ジョージ3世を彷彿とさせる聡明さを持つシャーロットは、父のジョージとは違い、国民からの人気も高かった。
そのため、ジョージは二人を完全に分断することで、キャロラインの後ろ盾になりえる人間を無くそうとしたのであった。
しかし、シャーロットは母を差し置いて他の女性を追いかけ回す父を嫌悪し、母のことを愛していた。
そのため、父ジョージが母キャロラインに対して、ひどい仕打ちをおこなっているのをみて、さらに父に反抗するようになった。
このような母と娘の関係は国民も知るところであったため、シャーロットはさらに人気を集めるようになった。
一方、二人を分断しようとするジョージの行動は相変わらず国民の反発を招いていた。