その他にも、レドリュ事件の以前に発生したもので次のようなケースもある。
1878年、イギリスのエジンバラに住む若い夫婦がいた。ある日の深夜、妻は激しい物音に気づいて目を覚ました。部屋の壁の方を見ると夫が何かを壁に激しく叩きつけている。
こんな夜遅くに何をしているのかと、夫を注意深く見てみると、夫はうつろな表情で、まだ1才の我が子を壁に叩きつけていた。
あわてて止めたが、この時既に赤ん坊は昏睡状態に陥っていた。
自分のしていることに気づいた夫は、すぐに家を出て医者を呼びにいった。だが、赤ん坊は間もなく死亡してしまった。
この夫は、床から現れた白い獣の姿をした怪物が赤ん坊を襲おうとしたため、その怪物をつかみ壁に叩きつけていたのだという。
このケースでも赤ん坊を殺さなければならなかった理由などはやはり存在せず、さらに、夫は決して人に暴力を振るうような性格の人間でもなかったという。