レルズが残した証言では、「マーダーインク」の社員によって殺された人間の数は300人あまりとされているが、実際には1000人以上(一説にはこのうちの半分、500人はシュトラウスの犯行だと考えられている)、もし、レルズが捕まっていなければ、「マーダーインク」はその後も存在し続け、被害者の数は万単位にのぼったのではないかと言われている。
このレルズの証言によって、社員は次々と逮捕され、マーダーインクは消滅した。しかし、レルズが裁判で証言することは回避されたため、組織の幹部達は誰も逮捕されなかった。
レプケ無きあと、実質的な社長となったアナスタシアは、1957年に床屋で散髪中のところを銃撃され死亡した。
ヴィト・ジェノヴェーゼが権力を掌握するために放った刺客による犯行だと言われているが、その真相は明らかになっていない。
晩年のアナスタシアも盟友レプケと同様に、その尊大な振る舞いから周囲から嫌われる存在になっていたという。
組織にとって、最大の驚異となった特別検察官のデューイは、対マフィア活動の功績によって名を上げたこともあり、1942年に州知事選に出馬し、当選する。
さらに、州知事としても有能さを見せ人気を集めた。その人気は相当なもので、ドナルド・ダックの甥に、デューイにちなんで、デューイ・ダックと名付けられるほどだった。その後は、大統領候補にまで選ばれ、トルーマンとその座を競うまでになる。
だが、こうした人気の影で、実は州知事選の際にマフィアから資金援助を受けており、州知事当選以降は一切マフィアを追求しなくなったと言われている。