フランクリン隊が踏破した距離は8900km、4年もの長期間にわたる大遠征であった。
帰国したフランクリン隊は、すさまじい喝采をもって迎えられた。偉業を成し遂げた隊におしみない讃辞が送られた。
フランクリンの探険報告書は、労働者の平均月給の5倍という相当に高額なものであったが、これが飛ぶように売れた。
死と隣り合わせの冒険の様子が克明に綴られた報告書は、読者の胸を躍らせ、国民感情を鼓舞させた。フランクリンは絶望的な状況をすさまじい精神力で克服した英雄として称えられ、「ブーツを食べた男」と呼ばれるようになった。
一方、パリー率いる海路隊も、北西航路を完成させるには至らなかったものの、さらに航路を進めることに成功していた。
2つの探検隊が治めた功績に対し、国から報奨金が与えられた。