ジョン・フランクリンは1786年に織物商で財を成したフランクリン家の9番目の子供として産声を上げた。
フランクリン少年は、海軍将校として世界各地に赴いた経歴を持つ叔父の影響か、幼い頃から大海原を駆ける船の仕事に、大きなあこがれを抱いて成長した。特に彼があこがれたのが、叔父と同じく海軍士官の道であった。
父からは散々反対されたものの、決して意志を曲げようとしないフランクリン少年に対し、ついに父は根負けし、海軍士官の道を歩むことを認めるようになる。
フランクリンはわずか14歳でコペンハーゲンの開戦に従軍し、翌年には叔父が従事していた、オーストラリア沿岸の探検に同行する。フランクリンは幼くして、自身のあこがれを現実のものにしたのである。
その後はナポレオン戦争やトラファルガーの海戦などにも従軍し、海軍の第一線で活躍する士官として、着実に経験を積む。