警察は現場検証時の失態を挽回すべく、懸命な捜査を行った。
エヴァンジェリスタの身辺調査を行ってみると、ある組織との関連が浮き彫りになった。
それは「ブラックハンド」という名のギャングで、イタリアからの移民たちで形成された組織であった。
ブラックハンドは強請を得意とし、当時デトロイトで成功していたイタリア移民の90%の人々は、この組織から何らかの恐喝を受けていたとも言われている。
このブラックハンドとエヴァンジェリスタのつながりを示すメモや手紙が事務所から発見されたのだが、エヴァンジェリスタもイタリアからの移民だったためか、彼は組織の恐喝役の1人として活動していたようだった。
だが、エヴァンジェリスタは何かヘマをやらかしたようで、組織から殺害予告を送りつけられており、エヴァンジェリスタが書いた許しを請うような文面の手紙が残されていた。
こうしたことから、ブラックハンドによる犯行と考えられため、この線で捜査されることになった。
しかし、これらの手紙も状況証拠に過ぎず、ブラックハンドに対する捜査を行っても、犯人にたどり着くことはなかった。