ルチアーノはマランツァーノに復讐することを心に決め、用意周到な策を張り巡らせた。
まず、障害になるマランツァーノのボディガードをアナスタシアに殺させ、これをマランツァーノのライバル、マッセーリアの仕業だとする偽の情報を裏社会に流した。
これによって、マランツァーとマッセーリアとの間で、血で血を洗う抗争が勃発する。この渦中でルチアーノはマランツァーノに忠誠を誓い、マッセーリア殺害を約束する。
ルチアーノはマッセーリアに会合を行いたいと申し出て昼食に誘う。マッセーリアもルチアーノを取り込みたいと考えていたため、この話に乗ることにした。
その昼食会の途中でルチアーノはトイレのため席を立った。それと同時に、シーゲルやアナスタシアなどのルチアーノ・ファミリーの暴力部隊が、突如、マッセーリアが残る部屋に乱入し、銃を乱射。マッセーリアを蜂の巣にして殺害する。
こうして、ルチアーノは一時マランツァーノの配下に加わるが、決して、マランツァーノへの報復を忘れたわけではなかった。裏で着々とマランツァーノを殺すために暗殺部隊を組織していた。
一方、マランツァーノはこうもやすやすとマッセーリアを殺害したルチアーノの力に恐れを抱くようになり、同じようにルチアーノを殺すことを目論むようになる。
マランツァーノは会合を行いたいとして、ルチアーノに自分の事務所に来るよう伝えた。この席でルチアーノを亡き者にしようとする計画だった。
会合の日、側近達と共にマランツァーノが事務所でルチアーノを待ちかまえていると、約束の時間少し前に国税調査官を名乗る男達がやってきた。
調査官はバッジと書類を見せ、マランツァーノとだけ話がしたいとして、別室に入った。
調査官は部屋に入るやいなや、ナイフを取り出し、マランツァーノに斬りつけた。マランツァーノは必死に抵抗するが、調査官達は銃で応戦し、マランツァーノを殺害した。
調査官はルチアーノが送り込んだ暗殺部隊であった。会合の誘いを受けたルチアーノは、これが罠であることをすぐに見抜き、逆にこの機を利用して、マランツァーノを葬ったのであった。
これでルチアーノは、アメリカマフィアのトップと目されるまでの存在になった。