マクントリック大佐の捜索隊とそれまでの捜索で分かっていたことを総合すると、フランクリン隊が辿った末路は以下のようなものであった。
1845年、ランカスター海峡の入り口で捕鯨船と遭遇したフランクリン隊は、同海峡を無事に通過した。その先のウェリント水路にさしかかったあたりで、氷によって進路をふさがれたため、北に進んだ。
しかし、ビーチー島のあたりで周囲を氷に覆われてしまったため、島で越冬することになった。この越冬中に病気などで3名が命を落とした。島に彼等の墓が作られた。隊が再び動くことが出来たのは翌年の秋のことだった。
南西に航路を進めたフランクリン隊はプリンス・オブ・ウェールズ島とサマセット島に挾まれた狭い海峡を抜けた。そしてブーシア半島をなぞるように南下していった。その時には北西航路も残すところ、あと200kmの地点までたどり着いていた。
1846年9月、再び四方を分厚い氷に囲まれたエブレス号とテラー号はここで身動きがとれなくなってしまう。