まず疑われたのはジョン・モースだった。犯行の状況からとても女性による犯行とは考えられなかったからだ。
そして家に戻った時の、妙に落ち着いた態度も怪しまれた。しかし、彼には外にいた時の強固なアリバイがあった事が判明する。
ブリジェット・サリバンにはアリバイは無かった。しかし、彼女には2人を殺害するだけの動機は見あたらなかった。
一番怪しい人物は次女のリジー・ボーデンだった。ブリジェット同様、リジーにもアリバイは無かった。
さらに、彼女には疑われるべき、いくつかの理由があった。彼女は事件の前日、3件の薬局を回り、服に付いた虫の駆除のためという理由で青酸を購入しようとし、どの店でも断られていた。
そして、同じく事件の前日に友人のアリス・ラッセルに「うちの食事には何か毒が盛られているかもしれない」と語っていた。
さらに、アリスはボーデン家で起きた盗難事件についてリジーが話した事も証言している。アンドリューの机から現金が盗まれる事件が起きていたが、リジーは「地下室から侵入したのではないか」と話していたという。
そして、最後に予言めいたこんな発言を残していた。
「きっと誰かが何かをやりそうな気がするのよ…」
また、彼女には動機もあるものと思われた。彼女と継母であるアビーは仲がわるく、家の相続の問題でアビーと姉妹の間に諍いがあったとする話が、ボーデン家の親族の者から得られたのだ。