エヴァンジェリスト家に到着した両巡査は家の中にある事務所に入った。そこには戦慄すべき犯行の様子が残されていた。
椅子に座った姿勢のままの、首のないベニー・エヴァンジェリスタの死体がそこにあった。床や壁、部屋の至るところに血痕が飛び散り、床に広がる遺体から流れた血が作り出した血だまりには、エヴァンジェリスタの首が置かれていた。
ローレンスとコステージを案内した男の名はヴィンセント・エリアス、不動産関係の仕事をしている男で、その日は朝の10時30分からベニー・エヴァンジェリスタとある農場の物件取引についての打ち合わせをするために事務所を訪れていたのだ。
そうして事務所に入ったところ、この怖ろしい現場に遭遇したとのことだった。
エヴァンジェリスタはおそらく首を切り落とされたあとに椅子に座らされたものと思われた。
ローレンスとコステージはエヴァンジェリスタの家族がいるはずの2階に上がった。寝室を調べてみると、そこにも無惨な姿の遺体が残されていた。
一つはエヴァンジェリスタの妻サンティーナのものだった。サンティーナの頭は斧で粉砕されたような形跡があり、さらに首ももげかかっていた。そして、腕までもが切り離されかけていた。
サンティーナの手は生後18ヶ月の赤ん坊マリオの体を掴んでいたが、マリオも頭部を中心にいくつも傷跡があり死亡していた。
次に子供部屋を訪れてみると、6歳になるマーガレットと4歳のジャンの2つの遺体があった。やはり2人も母親と同じように首を切り落とされ、腕も切り離されかけていた。
3階に向かう階段の途中には長女のアンジェリーナの遺体があった。彼女は何度も斧で叩き切られたような姿で死亡していた。